患者さんの体験談ケース1

左手につっぱり(痙縮 けいしゅく)

「片手だけでの不便な日常生活をよくしたい」

60代男性
(妻・長女と同居)

━━ 40代のとき脳梗塞で左半身不随に

会社員をしていた40代のとき、脳梗塞になりました。帰宅して普通に夕食を食べ、風呂へ入り、ベッドに横になった後にトイレに立とうとしたら、いきなり足がこんがらがって倒れてしまったのです。それまで脳梗塞の徴候はなく、翌日からは旅行に行く予定があったくらいです。そのまま総合病院の外科病棟に1カ月、リハビリ専門病院に3カ月入院しました。

━━ 入院してすぐリハビリを開始し、足の機能は回復

脳梗塞を発症し、入院していた当時は、「足はリハビリをすれば動く可能性が大きい。でも、左手はあまり改善が期待できない」と医師に言われていました。脳梗塞の治療と並行したリハビリでは、マッサージや、座ったり立ったりという訓練、歩行訓練などが中心でした。よく言えば「適切に」、悪く言えば「ビシビシと」指導していただきました。
退院後は、総合病院のリハビリ科に週1回、2カ月間通院しました。現在は週1回、40分ほどマッサージとリハビリのため治療院に通っています。利き手の右手は使え、言語障害も出なかったので、回復後は自宅近くの職場に異動させてもらって仕事も定年まで続けられました。早い時期からリハビリを始め、必死の思いで頑張ってきたおかげで、今では杖なしで歩けるほど回復しています。

━━ 動かないままの左手をよくしたい

足の機能は回復しましたが、左手のつっぱり(痙縮 けいしゅく)は、マッサージやリハビリをしても改善しませんでした。最初は、「リハビリを続ければ、そのうち動くようになるかも」と期待を抱いていましたが、もう18年変化がないので、最近では「もう仕方ないかな」という気持ちもありました。でも、人間の体は両足で歩くのと同じように、両手を使うことでバランスが取れているので、片手だけで日常生活の動作をしたり、物を持ったりするのは予想以上に不自由で大変です。実は、「痙縮」という言葉は最近まで知らず、病院の先生は「硬直」とか「固まるのを防ぐ」といった言葉で説明してくださっていました。もし今からでも、私の動かない左手がよくなる治療法があるのなら相談してみたい。その思いは、ずっと変わらないと思います。

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